卒業生の活躍

大島健太郎さん(2018年 高岡向陵高校卒業生)

<プロフィール>
1999年生まれの24歳。高岡向陵高校特別進学コースに進学するが、サッカーや友人との学生生活をもっと楽しみたいと2年時に進学コースへ変更。2021年に起業し、砺波市で屋敷林整備事業や山林整備事業を主とする「ツリーコネクト」の代表をつとめる。

楽しくサッカーがしたかった。

高岡向陵高校に進学した理由を教えてください。

最初は県立高校も受験したんですが、自分は私立の高校に行くだろうと思っていました。サッカーが好きで、サッカーで選ぶとすると3つほど私立高校の選択肢がありましたが、高岡向陵高校には出身である砺波市の出町中学校の先輩がいらしたんです。先輩に話を聞くと「楽しくサッカーができるところだよ」と言われたので、サッカーが楽しくできるのならばと高岡向陵高校に進学しました。

特別進学コースから進学コースへの変更。
父から勧められた映画と、担任の先生との出会い。

実際に入学してみて、学校生活はどうでしたか?

入試の点数が良かったのかわかりませんが、最初は特別進学コースという大学進学のためのコースに入ったんです。でも自分の中ではあまり大学に行くという選択肢を考えていなかったので、2年目からは専門学校などを目指す進学コースに変更しました。勉強と部活がバランスよくできたので、部活好きな自分には合っていたように思います。サッカー漬けの毎日でしたが、3年生になって、進路の選択を迫られた時に、自分は何になりたいのかってパッとするものがなくて。たまたま父から勧められて、映画『WOOD JOB』を観て、当時担任だった河合先生に「映画で観たんですが、林業って求人があるんですかね?」と訊いたら、河合先生自身、林業経験がある方だったんです。それで先生が昔勤めていた企業が主催する林業体験イベントが利賀村で開催された時に、先生に車で連れて行っていただきました。多分「こういうイベントがあるよ」と紙を渡されていても自分ではいかなかったと思うんです。さらに僕の分の長靴まで用意してくれていました。きっと長靴も持ってこないだろうと分かっていらしたんです。そんな性格の僕をそこまで連れてってくださった。実際にイベントで木を切っているのを見せていただいた時「もうこれしかないな!」って、林業の道に進もうと思いました。

困っている誰かのために、自然を相手に仕事をする。

今伺った映画や先生との出会いってすごい確率ですよね。そこに至るまでに、大島さんご自身は何を考えていらしたのでしょうか。

高校時代はいろんなアルバイトをしました。「自分はこのままこの仕事をして高校卒業して就職するのかな」って考えると、やはりどこかで「何か違うな」と。社会の仕組みやお金の流れなど、いろんな世界を見てきた中で「人のために、誰かに感謝してもらえるような、社会貢献できる仕事がしたい」という気持ちがあったのかもしれないですね。
この仕事は、営業もしますし、人を相手にする仕事でもあるんですが、「自然を相手にする」ところが一番自分の心と体にしっくりときたのではないかと感じています。言い方が難しいんですけれど(笑)。

いつでももっと高みを目指す!「憧れの林業」への導き。

これからの事業展開、ご自身はどうなっていきたいかをお聞かせください。

現在の林業事業をご説明しますと、大まかには屋敷林整備と山林整備です。細かく分けると、一番のメインは特殊伐採と呼ばれるロープワークを駆使して、複雑な状況にある木、どんな状況にある木でも切れるという技術です。色んな講習会に行って、ロープワークを学び、あとは実践で経験を積むしかない。
自分本人としては、年齢など関係なく、誰が見ても圧倒的な技術、安全性、スピードと効率をさらに探求していきたいです。林業家って言うのかな。技術的にもっともっと高みを目指したいです。
事業としては、後進の育成にもしっかりと関わっていきたいと思っています。どの仕事でもそうだと思いますが、林業会社って半端な気持ちだと特に続かない仕事だと思うので。だから、楽しいとか、かっこいいとかそういう憧れみたいものを若い人が持てるような、企業を作りたいと思います。

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